英語学習をしている方は「シャドーイング」という言葉を聞いたことがあると思いますが、多くの方がシャドーイングは英語学習において効果的な学習法だと紹介しています。
私自身は約2年半前、「PROGRIT(プログリット」に通ったときに初めてシャドーイングを知り、それ以来、毎日欠かさずシャドーイングを実践しています。
そこで、実際に私が実践している内容や効果について説明し、少しでもみなさんの英語学習のお役に立てればと思います。
目次
シャドーイングとは
シャドーイングとは、
音声:I’m studying English. 自分:(・・・)I’m studying English. |
という感じで、英語音声を聞いて1~2語ぐらい遅れてそっくりそのまま真似をして発声していくトレーニングです。
また、シャドーイングに「プロソディシャドーイング」と「コンテンツシャドーイング」の2種類があります。
プロソディシャドーイング
プロソディシャドーイング は、英語音声のみに意識を傾けて、意味への意識は持たずに復唱するシャドーイングです。シャドーイングを始めるほとんどの方は、プロソディシャドーイングを行うことになるでしょう。
コンテンツシャドーイング
コンテンツシャドーングは、音声への意識だけでなく意味にも意識を傾けて行うシャドーイングです。プロソディシャドーイングより高度なシャドーイングですので、まずはプロソディシャドーイング をし、慣れた後にこのコンテンツシャドーイングを実践するとよいでしょう。
シャドーイングの効果(なぜシャドーイングをやるのか)
これについては、私がプログリットで実際に説明を受けた内容になります。
リスニングをするにあたっては、「音声知覚」と「意味理解」の2つのステップに分かれます。
「音声知覚」:英語の音声を聞いてどのような単語なのかを認識するステップ
「意味理解」:認識した単語が文章においてどのような意味になるのかを理解するステップ |
実際にリスニングを行う際は、まず英語の音声を聞いた時に、脳は学習で蓄積した英語知識のデータベースにアクセスし、その中から聞いた音声に対応する音をピックアップします(音声知覚)。そして、その音が何を意味しているのかといった知識(単語や文法)を再度ピックアップし、聞いた音声がどのような意味になるかを理解します(意味理解)。この2つを瞬時に行うことができれば英語が聞き取れているということになります。
つまり、英語が聞き取れないということは、「音声知覚」に問題がある、もしくは「意味理解」に問題がある、あるいはその両方かもしれないということを意味します。
例えば、「water」。
これは誰もが知っている「水」と言う意味。実際は「ウォラー」のような発音をします。「ウォラー」と聞いて「water」と認識するのが「音声知覚」です。これを「ウオーター」と認識していると「ウォラー」と聞こえてきても他の言葉と認識し、それを「水」と認識できなくなります。他にも、「オワッチュアネーイム」と聞いたら「What’s your name?」と認識するでしょう。そして「あなたのお名前は?」というように意味も理解するでしょう。
このように、リスニングができない場合には、「音声知覚」に問題があるか、「意味理解」に問題があるか、その両方に問題があるということになります。多くの場合は「音声知覚」に問題があり、英文を見れば理解出来るのに音声だけだと理解できないということが起こります。この「音声知覚」を鍛えるためにシャドーイングを実践し、英語を聞いた時にすぐに音を認識できる「音声知覚の自動化」を目指していきます。
シャドーイングのやり方
では、実際にどのように実践するのかですが、ここで紹介するのは、私がプログリットで経験し、今も継続して実践しているやり方です。
使用教材
まずはシャドーイングをする際に使用している教材ですが、私は「公式TOEIC Listening&Reading問題集」を使っています。その中のPart3とPart5をシャドーイングのトレーニングとして使用しています。ドラマや映画の音声と違って、全ての英語が綺麗な英語で話されているので、最初に使用する教材としては最適なのではないでしょうか。また、アメリカ英語だけでなく、イギリス、オーストラリア、カナダの英語を聞くことができるのも良いところです。
基本的には、TOEICの公式問題集を使用しますが、ナチュラルな英語を聞くために「TED」をシャドーイングの教材に使用することもあります。こちらは、話す人によってクセがあるので聞き取りづらいと思うことが結構あります。ただ、これが本物の英語だと思うので、シャドーイングのトレーニングとしては効果的だと思います。
進め方
①TOEIC課題の場合、問題を解く→答え合わせをする。TOEIC以外の場合、音声を聴く(MAX3回)
②文章を一度読んで見て分からない単語や文法を調べ、意味を全て理解する ③音の変化チェック→音の変化を、音声を3回聞きながらスクリプトに記入する 例:I heard itのheard itの部分に「ハーディッ(ト)」のように記入します。 ④スクリプトを見ながらオーバーラッピング※ ⑤何も見ずにシャドーウィングをし、完全にできるようになるまで繰り返す (目安30回) |
最初は1つのテーマを1週間かけていましたが、今は1テーマを3日ぐらいかけて実施しています。
これらを初期の頃は60分、慣れてからは30分を毎日行って、これは今でも継続しています。
シャドーイングの効果
シャドーイングをするとどのような効果が得られるのか気になるところですが、次のような効果が得られます。
リスニング力の向上
そもそも英語自体を聞き取れないと真似できないので、リスニング力は向上します。最初は音を聞き取ることに精一杯で意味まで理解できませんが、音をスムーズに聞き取れるようになると意味を理解することに集中できるので、その結果英語を理解できるようになっていきます。 スピーキング力の向上 聞こえてきた英文を発声することで、英語のリズムやイントネーション、正しい発音を身につけることができます。発声するときに、ただ声に出すだけでなく、自分が発話者の立場になって発声するとよりスピーキング力が向上します。 リーディング力の向上 これは音読でも効果が出ますが、シャドーイングでも同じような効果があります。シャドーイングをしていると、聞いた英語を日本語に訳す時間がないので、聞こえた英語をそのまま理解しなければなりません。ですので、リーディングにおいても英語の語順で意味を理解することができるようになります。 |
まとめ
最初の頃は、なかなかうまくシャドーイングが出来ません。聞き取れない英語が多いですし、聞いた言葉を思うように口から思うように発声できないんです。そんな自分にイライラすることもあるのですが、それでもとにかく毎日継続していくことで徐々に聞き取れる言葉も増えていきますし、効果が表れてきます。